Mnetの本部長「プロデュース48 アイズワンは日本の主流市場進出が目的」

2019年1月16日

プロデュース48を製作したキム・ギウンCJ ENM Mnet本部長のインタビュー翻訳

日本と手を組みグローバルアイドル育成 全世界が目標

2018年9月17日 エコノミー朝鮮

「国民プロデューサーの皆さん!あなたの少女に投票してください」(プロデュース48 MCイ・スンギ)

プロデュースシリーズは3度目のシーズンでも視聴者に”国民プロデューサー”の役割を任せるという原則を固守した。司会のイ・スンギはカメラレンズを見つめ視聴者に呼びかける。視聴者はイ・スンギの呼びかけに応え100名近い練習生の中から好みの練習生を探すという面白さに熱中した。

CJ ENM (※Mnetの運営会社) の音楽チャンネルMnetはオーディション番組で最大の核心権限”優勝者選出権”を視聴者に委譲する代わりに視聴者を没入させるという成果を得た。視聴者は練習生を苦しめる番組製作スタッフの悪口を言いながら、いつの間に彼らが作った”アイドルデビュー”の世界観に引き込まれた。

プロデュース48の視聴者はMnetから「全世界で活躍するグルーバルアイドルグループを作る」という任務を任された。Mentは日本最高のアイドルグループAKB48の競争システムを導入した。参加者96名の中から12名が過酷な競争に勝ち抜いて生き残った。プロデュース48は日本と韓国の共同プロジェクトという理由だけで関心を集めた。エコノミー朝鮮はプロデュース48終了から3日後の9月3日、視聴者を翻弄したMnetを総括するキム・ギウンCJ ENM Ment本部長をソウル上岩洞のCJ ENMセンターに訪ねた。

3年前から準備を進める

プロデュース48を終えた感想

「プロデュース101シーズン1が終わった2016年の秋から約3年間 (※原文ママ)担当者と準備して来た。AKSは女性芸能人に特化した芸能事務所なので、プロデュース101シーズン1を見てどういう形であれMnetと仕事をしたかったようだ。その時はそれがプロデュースシリーズに至るとは考えなかった。時間が過ぎ、プロデュースシリーズのような番組をやろうという方向に話がまとまった。」

プロデュース48
プロデュース48

今が韓流の海外進出の適期?

「Mnetは何であれ”今”様々な挑戦をしなければタイミングを逃すと考えた。Mentは番組を通じてスターを作るシステムを10年に渡り試みて来た。いい結果物を得たこともある。韓国アイドル市場は需要が限定されている。このためアジアであれアメリカであれ海外に進出しなければならない。防弾少年団は韓国歌手が海外で通用することをはっきりと証明した。それがモチベーションを高めた。」

日本の主流市場を狙う

なぜプロデュース48は日本のアイドルと手を組んだのか?

「日本はアジアで最大かつ安定した音楽市場を持つ。韓国アーティストが日本で大金を稼いで来るが、それでも日本の音楽市場の10分の1程度。残りの90%は日本のアイドルなど多様な”主流”が占める。テレビ番組を基盤にスターを作り、その主流市場に進出することが必要ではないのかと考えた。それに加え外国の芸能事務所が参加すればプロデュースシリーズを一歩進化させることになると思った。」

キム・ナヨン 本田仁美 チャン・ウォニョン 白間美瑠 キム・ドア
キム・ナヨン(BANANA CULTURE) 本田仁美(AKB48) チャン・ウォニョン(STAR SHIP) 白間美瑠(NMB48) キム・ドア(FENT)

東南アジアやアメリカ市場にも関心があるのか?

「東南アジアだろうがアメリだろうがヨーロッパだろうが市場は限定されていない。その中で常にパートナーを探している。テレビ番組を通じてデビューするグループも同じで、そのグループがアジアを超え他の地域で消費されるように努力している。日本と韓国の2か国だけでなく中国からも関心が寄せられた。日本と韓国が手を組んだことに海外ファンが面白味を感じたようだ。」

視聴者の要求に合わせたアイドルグループ

プロデュースシリーズが韓国音楽放送市場のトレンドを変えた点があるのか?

「昔はオーディション番組には審査員がいた。審査員の選択と視聴者、つまりファンの選択が相反することが面白い要素だった。そこから来る緊張感があった。しかしプロデュースシリーズと既存のオーディション番組との最大の違いは100%視聴者、つまり100%ファンの選択によって動くという点にある。ある意味最も民主的なフォーマット。視聴者に「自分の参加が番組を変える」と考えるようになる。”SUPER STAR K” を始めた時からプロデュース48までを振り返ってみると、番組は社会像を反映している。番組は視聴者と音楽ファンが望むことに合わせなければならない。来年、ボーイズグループでシーズン4を開始する予定だ。」

SUPER STAR K
2009年7月放送を開始した一般人を対象としたMnetのオーディション番組。爆発的な人気を集め、各局が類似のオーディションを始めた。これはプロデュース101シーズン2放送後の状況に似ている。今活動中のアイドルグループのメンバーでこの手の番組に出場した人の中には実力が高いせいで中途半端に勝ち上がってしまったために、審査員の毒舌の餌食になり視聴者にいい印象を与えなかった可哀そうな人や、この番組の出演映像が整形の動かぬ証拠になってしまった人もいる。

視聴者の要求を予め把握できるのか?

「昔より多くの世代がアイドル音楽に関心を持っている事を把握した。現在は中高年もアイドルファンになり公開収録にやって来る。そのためファンの参与度を高めることが重要だと考えた。また音楽市場が徐々にソロ歌手よりアイドルグループに傾いていることが分かった。韓国のプロデューサー、アイドル育成者の技術力が向上している事も分かった。そして「アイドルが音楽界の一番の関心事だから我々もアイドルを素材にしたプロジェクトをやってみよう」と考えた。試行錯誤を重ねプロデュースシリーズは音楽消費者の二つの要求に合わせた。」

日韓共同番組で最も注意したことは?

「互いに政治的な問題になるようなことに気を付けるようにした。日韓双方で予めリストを作り、問題になりそうな点を教えあった。それでも番組序盤に色々な問題が発生したため日韓双方が当惑した。純粋なエンターテインメント企業同士のプロジェクトなので誤解されるような行動は可能な限り避ける事に努めた。」

日本人は几帳面で綿密、韓国人はスピーディ

AKSとの協業で得たものは?

「日本の特殊性を理解するようになった。プロデューサーのアン・ジュニョンも「プロデュース48から学ぶことが多かった」と語っていた。日本は几帳面で綿密。日本は我々が「大丈夫だろう」と気に留めない事も全て確認する。例えば我々が撮影当日の住所と時間を伝えると「正確にどこに、どうやって行って撮影地のどこで待っていればいいのか」など基本的だと思っていたことまで確認する。逆に我々は業務のスピードが速かった。日本側もその点は認めた。

韓国の芸能事務所との仕事とは大違い?

「日本は議論ひとつにしても会って話をする。対面コミュニケーションを重視してるようだった。日本側は3年間1か月に1回韓国を訪れた。Mnetも2か月に1回日本を訪れた。互いに学ぶことが多かった。」

(翻訳終わり)

プロデュース48はMentの方がメリットが大きい

「プロデュース48を先に提案したのはAKB側」という事にしたい人が、このインタビューを証拠にあげてるけど、このインタビューではっきり明言しているわけではないので証拠にはならないと思う。

例えそうだったとしてもMnetは大企業でAKBが圧力をかけられるような相手じゃない。

順位 企業名 時価総額
1 CJ ENM 33,736
2 Studio Dragon 30,533
3 KAKAO M 21,473
4 CJ CGV 14,051
5 SM 9,203
6 JYP 8,593
7 J Contentree 7,802
8 CJ Hello 7,667
9 SKY LIFE 6,217
10 YG 5,683

韓国エンタメ系企業時価総額ランキング

1位CJ ENM(テレビ局)、2位Studio Dragon(テレビ番組制作)、4位CJ CGV(映画配給上映)、8位CJ Hello(インターネット、ケーブルテレビ事業)、韓国のエンタメ系会社の時価総額ランキングTOP10入りした会社の40%はCJグループ企業。

これはCJグループのエンターテインメント部門の企業だけで、これらの企業とは別に食品関連の本隊がいる。Mnetはただのケーブルテレビの音楽チャンネルを運営する会社ではなく、巨大企業が運営するテレビ部門で、AKBの意向だけで動くような会社ではない。Mnetに何らかのメリットがなければAKBとは組まないだろう。

その”何らかのメリット”はインタビューを読めばわかる。

“韓国アイドル市場は需要が限定されている”

“日本はアジアで最大かつ安定した音楽市場を持つ。韓国アーティストが日本で大金を稼いで来るが、それでも日本の音楽市場の10分の1程度。残りの90%は日本のアイドルなど多様な”主流”が占める。テレビ番組を基盤にスターを作り、その主流市場に進出することが必要ではないのかと考えた。それに加え外国の芸能事務所が参加すればプロデュースシリーズを一歩進化させることになると思った”

要するに「韓国では稼げないからAKBと組んで日本に進出する。」ってこと。

韓国の音楽産業輸出額
韓国の音楽産業輸出額

「世界的に人気のあるK-POPにAKBが便乗した」というようなことを言っている人もいるが、見ての通り韓国の音楽輸出は日本が60%を占める。つまりK-POPが世界的に人気があったとしても、人気と収益は全く別ってこと。世界的に人気の高い防弾少年団でさえ秋元康に作詞を依頼した、これが全てを物語っている。

AKBはフランチャイズ方式でアジア展開してるし、”収益にならない人気”を得るために”アジア最大かつ安定した市場”を捨ててまで世界進出する必要がない。「日本に進出したいMnetと、停滞している人気回復の起爆剤が欲しいAKBの利害が一致したから手を組んだ。」そういうことだろう。

最後に一番大事なことだが韓国から見れは日本も世界ということ。「世界進出=日本進出」韓国から見ればこれは間違いではない。