厳しいレッスンに耐えてもデビュー出来ないK-POPアイドル練習生の生活実態

K-POPアイドル プロデュース48

韓国メディアのプロデュース48関連ニュース翻訳

根深い成功神話が消してしまったアイドル練習生の苦痛

NOCUT NEWS

1990年代中盤、韓国歌謡界に登場したアイドル。しかし20年前と現在、アイドルが持つ意味は明確に異なっている。

デビューと活動時期によって第1世代、第2世代、第3世代などに分けられるほど、その数が非常に増加したことが1番目。

90年代歌謡界がアイドル以外にも多彩な形態とジャンルが共存する流れだった、しかし現在はアイドルとアイドルの音楽中心に市場が再編されたことが2番目。

優れた企画力と育成システムを基盤に数多くの芸能事務所がアイドルを発掘し育成する、それだけでなく今では国民プロデューサーという名前のもと、視聴者にデビューのチャンスを委ねる試みがなされている。

今のアイドルは眩しいスポットライトを浴び”偶像”としての役割を果たす。同時に本業以外のドラマ・映画・ミュージカルなどに進出、ソーシャルメディアを積極的に活用して以前よりも身近な存在になりつつある。

アイドルデビューを夢見る練習生の存在も、珍しいものではなくなった。2016年放送の少女11名の未来を視聴者に委ねたオーディション番組Mnetプロデュース101が大成功したためだ。

その成功を受けて男子バージョンのシーズン2、日韓女子練習生が参加したプロデュース48が相次いで放送された。視聴者はいわゆる三大芸能事務所(SM YG JYP)以外にも多数の芸能事務所が存在し、そこでデビューを切実に願っている練習生が多数存在することを知る事になった。

韓国歌謡界にアイドルが登場してから20年が過ぎたが、依然として特殊な分野で成功した個別のケースとして認識されている。成功のパターンには人々の愛があるという固有の特徴のため「~しなけれはならない」という義務は強調されるが、尊重しなければならない権利はまともに論議されたことがない。

激しい競争を勝ち抜いて観衆の前に立つアイドルでさえこのような状態、果たしてデビューという目標に向かい走る練習生はどうなっているのか?

早ければ10代序盤から身体的、精神的に強度の高い訓練を受け。競争論理と成功神話を内面化するアイドル練習生の人格と権利は「最初からないもの」として扱われる。

7月発行の”アイドル練習生の汗と涙”は華麗な成功神話に隠れたアイドル練習生の人権をテーマにした本。文化社会研究所イ・チョンイム研究員は、アイドル練習生もマイノリティグループの中に属していると考え、アイドル練習生を経験した人々と専門家にインタビューしてこの本を出版した。

先月24日、ソウル市鍾路区のあるカフェでイ・チョンイム研究員に会った。以下は一問一答

K-POPアイドル練習生の汗と涙の著者イ・チョンイム
K-POPアイドル練習生の汗と涙の著者イ・チョンイム研究員


アイドル練習生の人権を研究することに決めた契機は?


ソウル研究院から「”マイノリティ リポート”というテーマで社会で語られなかったり疎外された階層を扱って欲しい」と提案があった。

マイノリティグループとして”難民女性、外国人労働者、貧しい芸術家、アイドル練習生”等が候補に挙がった。その中から私に依頼が来たのがアイドル候補生だった。

TVなどで報道されて来た成功神話のように語られてきた練習生の苦労話、また芸能事務所が神秘主義戦略のもと、隠蔽して来たトレーニング過程が具体的にどんなものかのか気になった。


「アイドル練習生の汗と涙」ではマイノリティを肉体的・文化的特質のため他の人間と区別され不平等な待遇を受け、集団的差別の対象になる人間として規定した。


かつて芸能事務所でアイドルデビューを準備していた練習生5名 (女性)と、芸能事務所で作曲家として活動していた1名 (男性)をインタビューの対象にした。本を読むと、インタビューに応じるようにアイドル練習生を説得することが大変だったという内容がしばしば登場する。どのように説得したのか?


交渉のやり方を知らなかったので、最初は公式的なルートを試みた。”事務所に正式に依頼し、音楽番組関係者に接触する”というやり方。最終的に知人を通じて非公式的なルートで交渉した。知人の紹介だったので安全性がある程度保障されていた。ある練習生は「知人を信じてインタビューに応じた」と語った。またインタビューした練習生が他の練習生を紹介してれたこともあった。

どんな話をすべきか悩んだ。アイドル練習生について基本的な知識しかもたず、問い詰める形になるのではなのか心配だった。しかし、いざ会って話をすると思ったより色々なことを正直に話してくれたので非常に驚いた。インタビューした練習生の中には今の事務所を辞める準備をしている人もいて、最初は不安で憂鬱な印象を受けた。しかしインタビューが始まるととても自由に話をした。


学校生活との両立が難しい練習日程、減量などの外見の手入れ、厳しい私生活管理、確約されないデビューなど、練習生はいくつもの圧迫を受ける。最も辛い事は何だったか?


「いつデビュー出来るか分からない」という事が最も辛い事だった。減量・私生活管理・トレーニング方法などは不満な点があってもデビューさえ出来るのなら、全てを受け入れる覚悟が出来ていた。体系的なトレーニングをしない事務所に所属する練習生も多かったが「デビュー出来るか分からないこと、それが一番辛かった」と語った。


それでもアイドルになるという夢を諦めない理由は何か?


全員がアイドルになることを望んでいる訳ではなかった。ダンサーになりたい人、歌手になりたい人、俳優になりたい人。しかし(ダンス・歌・演技などの)専門スクールも事務所もアイドル歌手になることを勧めた。これといった育成システムがない事務所ほどその傾向が強かった。「アイドルとしてデビューすれば演技だけでなく、やりたいことができる」と。大当たりを期待するだけで、具体的なビジョンもなくアイドルになることを勧める事例もあり、一部の練習生は事務所の方針に懐疑的だったり不信感を抱いている。


体系的にトレーニングをしないという点も練習生が挙げた不満の一つだった。事務所の規模が小さくても最小限のクオリティは必要ではないのか?


練習生も「3大芸能事務所がどうなのか分からないが」と前置きすることが多かった。しかし3大芸能事務所ではないが、誰でも名前を知っている大手事務所に所属していた練習生も「”なぜ体系的ではないトレーニングをするのか?”と疑問を持った」と語った。「ボーカルトレーニングを受けたい」と言ったら、減量とダンス練習をさせる。練習生は事務所の規模とは関係なく「トレーニング方法がいい加減」と感じている。


それでも練習生は事務所に所属しているため、事務所の規律を守らなければならない。このなかで人権侵害が発生する可能性がある。練習生が明らかにした事例を教えて欲しい。


  • 事務所が要求する基準に合わせるために減量薬を飲んで副作用に苦しんだという練習生がいた。

  • 女子練習生は身長に関係なく50kg以下を要求された。「今週中に2kg減量しろ」と言われた。

  • 整形手術を勧めることもある。

  • 食事制限しながらダンスの練習をするので疲れやすく過呼吸症状になったが、応急処置さえまともにしてもらえなかった練習生もいた。

  • 練習が深夜に及び、タクシーで帰宅しなければならないが、タクシー代は練習生持ち。

  • デビューを理由に一方的にマニュアルを押し付けられ それに合わせているが、これといった成果がなくデビューの具体的な日程も決まらず不安と不満が大きくなった。

  • インタビューで練習生が悩みを相談できる窓口がないという事が分かった。

学校生活の話を聞いて可哀そうになった。アイドル練習生という理由で変な噂を立てられないように神経を使った。SNSもやらない。練習生が一様に語るのは、事務所が他の事務所の練習生と情報を交換したり、親しくなることを嫌うということだった。

信じられるのは事務所関係者だけだが、それさえもどこまで信じていいのか分からず不満を持っていた。


芸能事務所に所属する練習生が大挙出演するオーディション番組が大きな人気を集めた。生き残るために自分に鞭を打ちさらに多くの魅力を見せなければならない”サバイバル”が生放送された。

この番組によって大勢の人が練習生と練習生期間が何かを知ったが、同時に彼らが経験した過酷な道のりを自然に受け入れた。そのためアイドル練習生の人権について真剣に論議することが難しくなったのではないのか?


アイドルオーディション番組はデビュー競争を娯楽化し過ぎるという問題がある。”誰が1位になるのか?”、 “私が応援する練習生は何位なのか?”など全てがデータになる。努力が数値化され、それが結果として明確に分かる方式で進行する。

脱落した者は忘れられ、選ばれた者だけが注目されることが当然のようになっていることが問題。努力と涙と汗は番組で無意味に消費され忘れ去られる。最終的に1位になった者だけが生き残れる社会ということ。プロデュース101シーズン1に出演した101名の大半は消え去り、最も魅力的で美しい者だけが生き残こる事を当然のように内面化する。

Mnetは”国民プロデューサーの選択”と”公正な競争”を強調するが、果たしてそうだろうか。画面に登場する時間も重要だが、番組には時間の制約がある。このため最終的に制作者に依存することになる。”PD PICK” (※プロデューサーが選択した練習生)という言葉が作られ、公正性が問題になる。表面的には客観的な競争に見えるが、事実はそうではない。

それでもアイドルを目指す練習生オーディション番組が作られ続ける理由は”若さの競争”がよく見えるためだ。美しい外貌と才能を持っているからメディアが扱いやすく、さらにデビューを望む切実感が加わる。これらがひとつの娯楽になる、これが公正な競争なのか。

プロデュースシリーズの最終位1位になった3人
チョン・ソミ カン・ダニエル チャン・ウォニョン


時にはアイドルファンでない人より、アイドルファンの方がアイドルと練習生に厳格なことがある。この現象をどう思うのか?


以前アイドルをテーマに座談会をした時、ある参加者が”倫理的消費”に関する悩みを打ち明けたことがある。ファン活動を消費と捉えていることに少なからず驚いた。

韓国社会が成功に関する脅迫感が非常に強いためだと思う。結果に到達するためには、その過程での自由と怠慢は絶対に許されない。それをはっきりと示すのがアイドルとアイドルを目指す練習生である。

ファンはアイドルがデビューしてからの成長過程を見守ってきたため、弱い存在として感じることもある、気軽にアドバイスする。またアイドルとファンの関係も密接だ。CDが何枚売れたのか?コンサートチケットパワーがどうなのかによってアイドルの興亡が決定するため、アイドルの大半は10~20代で年齢の序列化が明確になる面がある。

美しいビジュアルと完璧なパフォーマンスを遂行しなければならない立場だから、そこから外れれば失敗、あるいは怠慢と認識される。特に女性はルックスへの批評が日常化していることを残念に感じる。


韓国社会でアイドルや練習の人権を扱うことは簡単ではない。「やりたいからやっているのだから、これくらいは我慢しなければならないのではないか?」という意見がすべての問題提起を無力化する。


韓国社会は何か問題が発生するとほとんど個人の選択と責任に帰結する。最小限の人権を守る環境を作ることが最優先なのに、10代に成人の基準を適用することが穏当なのか?

成功した極少数のアイドルにスポットライトを当てるため、多数の練習生の存在は忘れられる。彼らはまだ10代で学校教育を受ける必要があり、睡眠権は守られなければならないが、個人として尊重しなければならないことは黙殺され、成功のためのプロセスと片づけられる。

過酷なダイエット、虐待ともいえる暴言などの問題は全く問題化されない。結果だけを注目する韓国特有の成功神話を10代にそのまま適用する。これらの問題を真剣に論議する時が来たと思う。


成功のために人権侵害も甘受しなければならない問題は、長い間続いてきた根深い問題。改善する必要があるが、特にメディアに望むことは?


アイドルとアイドル練習生の人権侵害事例を成功神話として扱わないで欲しい。例えばダイエットは個人の選択とはいえ、目標体重のために、何キロ体重を落とすのかを決めるのは事務所であることを忘れないで欲しい。誰かがダイエットに関して涙の告白をしても、一度きりの話題にして終わらせないで欲しい。

記者も、少しでも太ったら”太った”、”屈辱”と表現するが、この影響力は非常に大きい。改善する努力をして欲しい。

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